エンライトメントの「マインド・プリーツ」が見たくて行ったのだけど、まぁまぁ。
中西信洋のレイヤードローイングの方が良かった。


最終的なアウトプットがアナログな作品がやっぱり強いな、という印象。
ただ気になるのが、このごろ注目されているアートの傾向の一つとしての、次のようなもの。
●緻密な手作業である(細密画など)
●時間をかけなければ出来ない(1年間毎日制作するなど)
●膨大な反復動作が必要である(編み物など)
これはデジタルな制作物の流行からの反動ではあると思うけれども、
「芸術のことは分からないけど」と必ず断るような人がコミュニケーションを求めて訊く
「これって作るのにどれくらいかかるの?」という質問に対する圧倒的な答えであり、
作品の内容や質とは無関係に”作業量”を評価されているのであれば、
アートの敗北だと思う。
未来へのビジョンを共有できない人々の間にあって、
それでもリアルに伝わるものとして、少女性や肉体性の氾濫という流行があり、
次のステップとしてエロス・ダンス・肉体そのもの に目が向く流れは
理解できるし、僕も支持するところだけれど、
肉体の活動の結果としての”作業量”のみに単純に注目する姿勢は危険だと思う。
人間や存在の意味を問い、ビジョンを示す「哲学」としてのアートの側面と、
美しい表面や構造を作り出す「工芸」としてのアートの側面を
バランス良く備えていることが、やっぱり必要なのではないかな。
そういう意味でも、
時間を空間に取り出してみせた中西信洋のレイヤードローイングは良かった。
ちいさな構造体の作品群もとても好きだ。


<関連情報>
http://white-screen.jp/2007/11/2007_2.php
http://www.public-image.org/report/exhibition/roppongi_crossing_2007future_b.html

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